素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫)作者: 金出武雄出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2004/11メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 128回この商品を含むブログ (61件) を見る

今この本を読んでいる。2/3くらいまで読み終えたところ。著者は、カーネギーメロン大学の著名なロボット工学の先生で、内容はどうしてもアカデミック、研究者としての色が強いが、研究を遂行する上での考え方は我々メーカーの研究開発の現場で働くエンジニアにも大いに参考になると思う。何か解決すべき問題があるとき、素人的に考えてみることが有用であると説いている。ただ、素人といっても、全くの"ど素人"という意味で使っていない。著者が言うには、玄人(ここでは専門家も含む)発想では、どうしてもその分野に精通していることもあり、問題の解決法をどうしても今までのパターンにはめてしまいがちになり、それではオリジナリティのある研究、仕事がなかなかできないとのことである。専門家であっても、問題を考えるときはじめは、問題を型にはめずに、考えることが重要だと主張している。もちろんこのように素人的に考えるのだから、問題をどう解決するかについてのシナリオは、かなり大胆なものになりうる。でも、たとえ大胆でもそのシナリオによって、問題を解決されたとき、その仕事はインパクトのあるものになるだろう。この素人的な大胆な発想を実行するには、専門家としての幅広くかつ深い知識を持っていなければならないと説いているのは、大いに納得できる。